フルラス・岡崎記念会会長
　幾原雄一

　2023年6月に開催されたフルラス・岡崎記念会総会にて、同記念会会長を拝命致しましたので、これを機会にご挨拶申し上げます。
　当記念会は、Richard M. Fulrath教授と岡崎清教授の交流を起点として発展した日米間のセラミックス関連の研究者・技術者を表彰するとともに日米間の産学連携を活性化させることを目的として発足しました。セラミックスは、電子セラミックス、構造セラミックスを問わず、社会基盤、環境、エネルギー、情報など種々の分野において非常に重要な役割を担っています。また、セラミックス分野の国際化、とりわけ日米間の交流もさらなる展開が期待されています。このような背景の下、当記念会が果たす役割は益々重要になっています。
　フルラス賞は、毎年、日本側から学術部門１件、産業部門２件、米国側から学術部門１件、産業部門１件が受賞対象となっています。学術部門、産業部門とも学術の進歩と産業の発展に貢献した若手研究者・技術者が受賞されますが、米国セラミックス協会からの正式な国際賞として表彰されることが特徴です。同賞の受賞件数として産業部門にやや重きをおいているのは、セラミックス産業におけるものづくりの重要性、日米間の産学共同研究の重要性を反映しております。一方、岡崎清賞は、電子セラッミクス分野の研究、技術開発、製造・生産に優れた業績を上げた個人またはグループに授与するもので、フルラス賞と相補的な関係でもあります。
　当記念会では、フルラス賞および岡崎清賞の表彰以外にも、米国セラミックス協会との強固な連携、日米の関連研究者・技術者との懇談会、受賞者の講演を中心としたシンポジウムの開催、米国からの受賞者の招聘、大学・企業への訪問、日米共同研究の推進、日本セラミックス協会との連携などについてもさらに推進して行く予定です。
　以上、当記念会をさらに発展させ、特に日米間のセラミックス研究の推進、普及に貢献できるように努めて参りたいと思いますので、会員各位、賛助会員の皆様にはさらなるご支援・ご指導をお願い致します。また、本趣意にご賛同いただける企業各位には賛助会員としてご支援を賜れば幸いです。